papi pain

パン屋さん独立開業への最短距離
~しあわせなパン職人になるために~

職業としてのパン屋(ブランジェ)になる

パン屋さんになるためには、ホテル、スーパー、専門店などさまざまな場所で、今や米の消費量に匹敵する主食となったパンを製造します。

パン屋ではたらくパン職人の仕事はとてもハードで、朝は早く、ほとんどが力仕事と立ち仕事。パンとパン作りが好きでなければ続けるのは難しいのが現実です。

パンには、実にさまざまな種類があり、人々に支持されるおいしいパンをつくるには、職人としての腕前とアイデアが必要で、経営を続けるためには常に新しいパンを生み出していくアイデアが必要です。(以上は一般論です)

パン職人になるには

パン職人になる基本的な流れは、調理系の専門学校に進学し、パン製造の基本的な知識と技術を修得し、厚生労働省認定のパン製造技能士の国家資格を取得する。(実際、開業には必須ではない)
その後、パン屋に就職・転職して、パン職人としての技量を磨くがこの際修行の場をどこに置くかが重要です。

大きいパン屋ならば、就業条件も良いいですが、その分、パン製造が分業化されており、パン製造の全体の流れが習得しにくい。最短で独立しパン屋を開きたいならば、長時間労働も覚悟の上で長い目で見たときに、中・小規模の店へ飛び込む方が有利と判断します。

脱サラ・転職組にとってのパン屋開業

ただ、25歳を越え30歳近くになってパン職人への転職を考えている人にとって、専門学校に通い、それから資格を取ってなどとなると、その後の資金面も問題になってくる。

なによりも限られた時間の中で開業までこぎつけるために、悠長なことをしていられないという思いに駆られるのではないでしょうか。また10代の若い職人の卵たちと一緒に同じ道を歩くことに、ためらいを感じるかもしれません。

現在パン店を経営しているわたしもじつは、サラリーマンからの転職で、パン職人の道を選びました。当時27歳という年齢でしたので、上記のようなことを感じながら、どうするべきか悩んでいたことを思い出します。

転職で職人の道に進むリスク

ある一定期間サラリーマンとして社会経験を積んできたひと(転職組)にとって、ゼロからのスタート。つまり専門学校に入り資格を取りにいくコースはやはり、資金と時間のリスクが高いと考えます。

また、ネット上でよく見かけるパン店開業支援コンサルタントの1か月で(ひどいと一週間とかで)、ゼロからプロのパン屋さんになれます。という言葉も、常識的にはリスクがありすぎます。

冷静に考えてみてください。今まで包丁も持ったことのないあなたが、一週間や3か月でプロのパン屋になれるのだったら、間違いなく既にそのノウハウは、誰かが普及して若い職人さんでもガンガン開店しているはずです。

最短でパン職人になる最良の方法

今わたしは、さまざまな思いを持ちながらこのページをご覧になっているあなたに、現役のパン職人としての経験を通して独断と偏見で話をしています。

そんなわたしが、
サラリーマンから27歳で転職し、パン屋を目指し、32歳で開業し、その後10年以上にわたり毎年増収増益の小さなパン店を経営してきた経験を持つわたしが、今からパン屋さんを目指そうと考えているあなたから

●「最短でパン屋さんになる最良の方法は?」

と問われた時、自信を持って伝えられる言葉は以下のものです。

           「繁盛している街の小さなパン屋さんで

              3年~5年集中して修行すること」

これが実践に元づいた確かな実力を身につける、地に足のついた王道であることは経験上、間違いありません。

最短でパン職人になるための「必要な時間」と「絞るべき的」

どんなに探してもパン屋という職業で、1か月で何かができるようになることはありません。

スイミングの教本を読んでも、泳げるようにならないのと同じように、お金を払うだけでパン作りの通信教材でも、一か月の研修でも、プロのパン屋として、何十年も利益を出し続けられる力がつくようなことはありません

冷静に考えればわかるはずです。

出来あいの冷凍パンを焼くだけのパン屋さんではなく、少なくとも自分が粉から仕込んだパンを焼く、手作りパン屋を目指すのであれば、そしてそのために「修行する」という時間を考えているならば、

目安とするのは最短で3年~5年でしょう。経験上、石の上にも3年という言葉はあながちいいかげんな言葉ではありません。

3年間は文字通り石にかじりついて下働きでもなんでもしよう。10代から厳しいパン業界で、切磋琢磨しながら修行をしている若者たちに、追いつき、追い越して行くつもりならば、やはりそれ相応の覚悟は必要です。そういうつもりで、あなたの近くの修行先を探し始めることがベストの選択だと思います。

今から5年後に心・技・体3拍子揃った
パンのプロフェッショナルになっている自分を想像してみてください。

その後の人生、一生の仕事として選んだパン屋という職業で、20年~30年、一国一城の主(あるじ)として、誰にも依存せず生きていく力を身につけるための3年~5年ならば、それはそんなに長い期間ではないはずです。

30年のうちの5年

そう考えて腰を据えて修行する決断をすることが、じつは遠回りのようで一番の近道なのです。逆にお店を開業するのに10年は修行が必要だというひともいますが、わたしは個人的に

 

そんなに必要はない。

 

と思います。(少なくとも当店ではもっと短期で開業実績があります)
どんなお店を開くかにもよりますが、完全手作りのパン店経営であれば、わたしの場合まったく経験がないところから5年で開業しています。

目的意識を強く持ち、

集中して学べる環境さえあれば

漠然とサラリーマン化して10年働いている職人を、半分の時間で追い抜くことはそう難しくはありません。これがわかれば、あとは自分にあった修行先を探せばいいということになります。注意すべきは、しっかりと総合的にパン作り・接客・経営を学べるお店でなくてはなりません。

最短で目標に到達するためには、バランスよく学んでいくことが特に重要なのです。

以下では、そんなお店の見つけ方を述べます。

修行先のお店の見つけ方・注意点

上記にも書いたように、修行先は大手のチェーン店や百貨店に入っているような、大型ブランド店は「最短」を目指すなら、避けたほうがよいでしょう。その理由は、大きいパン店は就業条件も良いが、その分パン製造が分業化されており、パン製造の全体の流れが習得しにくいからです。

これは、特に気をつけなければいけないことですが、
パン作りが分業化された厨房では、パン作りの全体像を何年やっても習得できません。頭ではパン作りの工程を理解できるのですが、パン屋開業を目指すとき、ひとつひとつの技術や知識だけでなく、

●パンを製造しながら、お店全体を同時に動かしていく力が、最も大切な「技術」なのです。

 

多くの大手パン屋さんでは、仕事のスケールが大きいため、仕事がどうしても分業化されてしまい、必然的にこの大切な技術を学ぶことができなくなってしまうのです。

例えば大手のパン屋さんで3年働きましたが、焼き場(オーブン前)にずっといました。とか、仕込みばかり3年やっていました。などという小さいパン屋では考えられないような悲惨な結果になってしまうことがあります。(時々小さなパン屋でもありますが・・・)

独立開業を目指して入社した人にとって、この3年はいったいなんだったのだろうと、落胆しなければならない無残な結果になってしまいます。転職組にとっては、こういう時間の無駄遣いは絶対に避けなければなりません。

また、幸運にも3年間ですべての工程を学べたとしても、そこに独立開業に向けたプログラムがあるわけではなく、(大手はあなたに社員として末永く働いてもらいたいわけですから)部分の仕事を、部分で学んでいるだけで、総合的なつながりをもったパン作りの技術力からは程遠い実践力のない職人になってしまいます。(パン学校の先生やパン教室の先生にはなれるかもしれません)

10年大手で修行した人が独立をして3年後に閉店せざる得なくなるのは、パン店経営のための、実践的総合力がまったくついていなかったという理由がほとんどです。

街で「繁盛している」小さなパン屋さんを探せ!

以上のような理由から、小さなパン店の経営を目的とし、生涯の仕事としてブーランジェ(パン職人)という職業を選ぶのであれば、まずはじめは自分の住んでいる街(または地域)で、一番繁盛している個人店に狙いを定めることです。

そのお店が職人さんの独立支援を表明してくれていればなおいいです。そんなパン屋さんがあなたの街にあり、そこが明らかに地域一番店であることがわかるならば、なんとかしてそこで働かせてもらうようにお願いをしてみることです。

ぜなら、その地域で一番のお店であるということは、どんな商売でもその地域のお客様に愛されている理由があり、学ぶべき価値ある何かがあるからです。

また、繁盛店で働くということは、暇なお店で働くより二倍三倍のスピードで成長することができます。知らないうちに繁盛店の作り方が身に付いてしまうのです。

しかし繁盛店という評判でも、店員さんがダラダラしているようなお店や、スタッフの目が死んでいるお店は注意したほうがいいかもしれません。

 

以上が、わたしが強く推奨する「パン屋さん独立開業への最短距離」を行くための修行先の見つけ方です。

次項からは、独立開業へ向けた修行期間の効果的な学習法をお伝えします。

もっとも効果的に修行時代を過ごすコツ

さて、ここからは晴れて修行先が決まり、夢に向かって集中して学んでいくうえで、最大限に学習効果を発揮するための大切な「心構え」についてお伝えします。

せっかく良い修行先を選んでもこの心構え(マインドセット)を間違えてしまうと、修行が台無しになってしまいます。転職組にとって、もう「次」はありません。パン職人としての知識不足や経験不足を補うために、自分の心の構えを、修行に向けてしっかり整えておくという、自分にできる最低限の準備はしておきましょう。

今からパン屋を開きたいという人の多くが、「天然酵母パン」に興味がある。安心・安全・体によいパン。天然素材・オーガニック食材を使っているパンを焼きたい。多かれ少なかれ、そういった「こだわり」を持って、パン職人を目指すでしょう。これは時代の流れであり、ごく当たり前のことでそれ自体が悪いことではありません。パンについて熱い想いがあればこそ、パン屋を目指すわけですから。

しかし、あなたがパン職人になるための、はじめの一歩を踏み出そうとしているならば、まず、そういった

●自分のパンに対するこだわりは、いったん心のロッカールームにしまい、鍵をかけておくのが充実した修行期間を過ごすための賢い選択です。

 

これをスポーツに例えるならば、そのこだわりの想いとは、空手部に入門した次の日に、いきなり上段回し蹴り(高度な技)を教えてくれというようなものです。口にしないまでも一刻も早くその技を学びたい教えてほしいという想いを持ったまま仕事をすることになります。(そういう人はお金を払ってパン教室に行きましょう)

そうなれば、せっかく良いお店にいても独立開業のための、他の多くの学ぶべきポイントが見えなくなってしまいます。また、知らず知らずのうちに勝手な思い込みで仕事をしてしまい、まわりの同僚や先輩たちとコミュニケーションが取れなくなってしまいます。

これが多くの人が陥りがちな、お店にパン作りを学びに行くこと(修行)と、あくまでもそのお店で働く(お金を払うのではなく、給与をもらう)ことを混同してしまう大きなリスクです。

修行とはそういう自分の想いを心の奥にしまい(捨てるのではない)、いったん心を真っ白にして目の前のものを吸収しようとするオープンマインド(素直)な姿勢で取り組むものであることを自覚しておきましょう。

どんな仕事(スポーツ)でも高度な技術(こだわり)は、しっかりした基礎力の延長線上にあることを忘れないことです。

短期集中の修行目的とは

目標とは、綿密に前もって設定された計画(決心)を段階的に達成していくものです。
だから未来のあなたにとって価値ある目標のために、今やるべき目の前のことに集中しましょう。それがパン屋として、パン職人として、最初の一歩を踏み出すあなたにとって、一番大切な心構えです。

●パン屋さん開業に向けて、まず獲得するべき技術は、パン作りのための、パン店経営のための、あらゆる「基礎力」です。

 

とにかく最初の3年間はそういった基礎力の習得に的を絞ることを第一に考えれば、修行先のパン屋の選択肢も自然に広がるはずです。

現実問題、自分の想いを100パーセント実現している修行先というものはほとんどありません。(あればそれに越したことはありませんが)もし自分のパンの好み(表面的なテクニック・こだわり)で修行先を選ぶとかなり早い段階でそのお店に不満を抱くことになるでしょう。「こんな仕事をしていてもわたしの目指すパンは焼けない」と。

これが修行中一番陥りやすい感情的リスクです。

あなたの目指すパンは、あなたが未来で開くあなたのお店で実現します。その時はじめて、心のロッカーのカギをあければいいのです。決して遅くはありません。基本さえしっかり習得していれば自分の目指すこだわりのパンを作ることは、お店を開店した後でもそんなに難しくはありません。

そのために、今のお店で修行している現実を忘れないことです。

●目的はあくまでもパン作りのための、パン店経営のためのあらゆる「基礎力」の習得です。

 

どうか、この視点をいつも忘れず、あなたにとってベストな修行先を探してみてください。

そして、運よく修行先を見つけたら、まずはそのお店の役に立つために、独立のことは胸にしまい一心に働きましょう。それが遠いようで最短の目標達成思考です。狙いを定めて、一点集中です。

繰り返しになりますが、最短で開業するために最も適した修行先は、

1)自分の住んでいる街(地域)で一番繁盛している個人店。

2)職人の独立支援を表明してくれているお店

3)総合的にパン作り・接客・経営を学べるお店

ということになりますが、この3項目がすべてそろったお店は現実にはそんなにたくさんはありません。

だからこそ学ぶ目的をシンプルに「パン店経営の総合的な基礎力の習得」に絞って、上記にあげた3点のうちどれか一つでも満たしているような修行先を見つけることに全力を注いでください。

はじめの一歩を踏みだそう

この文章を書いたのは、わたし自身がパン職人の道に踏み入った時に、参考になる情報があまりにも少なかったため一人で悩み不安感をおぼえ、決断までに膨大な時間がかかった記憶があったこと。そして同じような問題を抱えている後進の人たちへ、進路決定の一つの参考になればという思いがあったからです。

わたしが今、小さな街のパン屋さんを、若くて元気なスタッフたちと経営することができるのは、ここまでの道のりの中で、多くの人たちとのかかわり、その方たちのサポートがあったからです。

開店して数年がたち、やっと落ち着いてきたところで、今までお世話になった国内や、フランスにいる恩人たちへ、その何パーセントだけでも恩返しのつもりで、今あの時と同じ問題で、立ち止まっている人たちにむけて本気で役に立つ情報を書いたつもりです。

この長い文章を最後まで読んでくださったあなたが、この21世紀の、先行き不透明な時代に、同時に人生の転換期に直面しているあなたが、生涯の職業として、パン屋(ブランジェリー)という職業を選び、人生をかけて、世間という大海原に船を漕ぎ出そうとしているなら、この情報の1パーセントでも活用して、少しでもりリスクの少ない適切な、はじめの一歩を踏み出してくれることを心からに願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

パン屋さん独立開業への道

たとえば将来、自分の育った街で、
ブランジェリー(パン屋)を開業する

本物の手作りパン職人として、お客さまに
自分のパンを提供して喜んでいただく。

そう決心できたら、迷わず次は20年~30年の長期にわたり、家族やスタッフと共に明るくて、
いつも元気で笑顔が絶えず、心から幸せっていえるパン屋さん(ブーランジェ)を目指してください。

ぱぴ・ぱんではそのためのパン作りと経営(商売)の基礎を働く中で伝授します。
そして、近い将来小さくてもキラリと光る街のお元気パン屋さんに、あなたは成る☆

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